一級建築士の資格について

建築物の設計や監理は、古くは大工など、専門の職人がその役割を担っていました。しかし、近代に入ると、建築物はしだいに大規模になり、構造の複雑化も進みました。そこで、建築を統括する役割をする者が求められ、そうして建築士と呼ばれる職業が誕生しました。
建築士の行う業務は、建物の設計だけでなく、建造工事の監理を行ったり、設計前の調査や企画、建築に伴う各種手続きなど、多岐にわたり、これら業務の一部を専門に行う建築士もいます。
建築士制度は各国ごとに異なりますが、日本における建築士制度の場合、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類の資格があります。それぞれの資格の違いは、免許を受ける管轄行政庁と、設計・監理できる建物の種類や規模です。
一級建築士の場合、免許は国土交通大臣から受けます。一級建築士が設計および監理できるのは、複雑、高度な技術を要する建築物を含むすべての建築物、とされています。二級建築士は木造の住宅や、延べ面積300m2以内の小規模な鉄筋コンクリート造などの建物など、木造建築士は木造建築物で延べ面積が300m2以内、かつ2階以下の建物までの設計・監理が可能と定められていますが、それらすべてを一級建築士も行うことができます。